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ダイエットを科学する

きっかけ
今回はダイエットのお話です。ことのきっかけは人間ドックでした。受診の前日がお世話になった方の送別会で、深夜0時前まで飲んでいたこともあり、ひどい結果となりました。中でも尿酸値、血糖値、体重がひどい数値でした。尿酸値と血糖値はは前日の深酒による影響はあったかもしれませんが、体重は一日で急増するわけも無く、日ごろの不摂生の蓄積と言わざるを得ません。そこで、人生で初めて減量に取り組むこととしました。
最初の一歩
何事も事を始める前に戦略を練ることが重要です。世の中にはダイエット関連の情報があふれていますが、できるだけ広範囲に考えることにしました。参考にしたのは以下の書籍等です。
- 福岡 伸一著 「動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか」
福岡氏は日本で指折りの分子生物学者でありながら、その科学者離れした文才によって、ベストセラーを世に送り出しています。体重の増減は動物であるわれわれ人間の生命現象なので、ミクロな視点で生命現象を研究している福岡氏の話は大変参考になります。福岡氏の書籍内でのコメントで重要なものは、「運動だけのダイエットは成功しない」、「同じ量を食べた場合においても、一回で食べるのと小分けにして食べるのでは意味は大きく異なる」と言うものがあります。
この本はいわゆる「ダイエット本」ではないのですが、一番参考になりました。
この書籍は生命科学の本ですが、全8章のうち1章がダイエットに関する内容となっています。
- 岡田 斗司夫著 「いつまでもデブと思うなよ」
岡田氏は本書の中で、「レコーディングダイエット」なるコンセプトを提唱しています。「レコーディング」の対象は体重はもちろんのこと、食べたものの内容などを記録することが重要だと主張しています。
記録することにより行動が自然に変わるとの論となっています。
- 武豊 「情熱大陸」でのコメント
ジョッキーは仕事として体重を増やさずに維持することが必要になります。彼は番組の中で、「体重を増やさないために最も重要な事は毎日体重を量り、それを
皆が見ることができるところに張っておくことだ。」とコメントしています。これは岡田氏の著述にも共通している考え方で、数値計測できるものは
数値計測して可視化すべしという科学の基本と一致します。
- NHKスペシャル 地球大進化 DVD
このDVDを見ると、われわれ人間の体は46億年にも及ぶ進化の結果であり、それは飢えとの戦いの歴史であることがわかります。肥満などという状況は近年の人間にだけに見られる特異な状態であるということを認識させてくれます。ポイントは「近年の先進国は運動を伴わずに、食料を大量に摂取することが可能な異常な状態」にあるということです。
つまり、適度な運動を生活に取り入れ、過剰な食料を摂取しなければ肥満にはならないということです。
美しい映像と山崎努のナビゲーションが秀逸です。
上記を参考にして、基本的な方針を下記のように定めました。
- 約一年をかけて14kg減量することを目指す。
私の身長は174cmなので、標準体重は66kgとなります。人間ドックでの診断時の体重は80kgなので、14kg減量して、標準体重とすることを目標とします。巷にあふれるダイエット情報には、「一ヶ月で10kg減量成功!」等の話があふれています。しかし、体重が増加したペースを考えると、この減量ペースは明らかに早すぎです。減量の目的は健康維持であり、減量の過程で健康を害しては本末転倒です。
- 食事改善と運動時間の確保をあわせて行う。
福岡氏の著述にあるように運動だけで減量を成功させるのは無理があります。一方で、現在の都市生活者の日常は動物として異常な状態にあると言えます。動物は起きている時間の殆どを餌を得るために費やすのが普通です。肉食動物であれば獲物を追い、草食動物であれば食べられる草を求めて歩き回ります。46億年の生命の歴史を経てわれわれ動物の体の仕組みができていることを考えると、たかだか数100年前に始まった都市生活というものに人間の体が対応できていないというのももっともな話です。デスクワークを中心に働いている人は圧倒的に運動が不足しているわけで、捕食活動に対応する運動する時間を確保する必要があります。
- 体重を毎日計測するとともに、運動や食生活等の関連事象も極力記録に残す
科学のもっとも重要なものの1つに「フィードバック制御」と言うものがあります。これは入力と出力を計測し続け、出力の状況に応じて入力を調整して、目指す出力を得ようとするものです。人がまっすぐ歩けるのは正に「フィードバック制御」の結果と言うことができます。
目隠しをして、どの程度ずれているかを計測することができないようになれば、まっすぐ歩くことはできません。減量においても、何がどのように体重に影響しているかを理解することは大変重要だと考えます。
準備すべきもの
- 体重計(ヘルスメータ)
これが無いと始まりません。もともと我が家にはホームセンターで1000円で購入した体重計がありました。しかしこれは500g単位の計測で誤差も多く、また体重以外の計測はできません。新たな体重計を購入すべく調べたところ
タニタのBC-309が
がもっとも良いと判断しました。このモデルは50g単位で計測できることに加え、SDメモリを本体に挿入することにより計測した情報を自動的に蓄積していくことができます。蓄積したデータはPCに移して管理することができます。もちろん体重以外にも体脂肪等の情報も計測、蓄積することができます。もし計測結果をSDメモリに記録する機能が無ければ自分で記録をつけていくことが必要になってしまいます。私はこのような単純作業を機械に委ねることは大変重要だと思います。減量は病気治療ではないがゆえに「めんどくさい」を最小化することができなければ、「挫折」に直結しやすい性質を持っていると考えます。「挫折」を回避するためには高機能体重計は必要な投資ではないでしょうか。
だして、
乗るだけ。
SDメモリへの記録もスイッチのON/OFFも全自動です。
楽天で
タニタBC-309を検索
付属のWindows用ソフトBodymanagerも使いやすくSDメモリから読み込んだデータをグラフ表示することができます。(外部にCSVファイルでデータを出力することも可能です。)
なお、公式には64bit Windowsには非対応となっていますが、うちのWindows7
64bitではSDメモリからのデータ取込みも含めて、今のところ問題なく動作しています。
付属のソフトで簡単にデータ管理(数値は私の記録です)
- スポーツクラブ入会
上述したように現代の都市生活は動物にとっては異常な状態と言えます。特にデスクワークが中心となっている私は運動が圧倒的に不足していると言えます。ボディービルをする訳ではないので、どのような運動を選択するかは大きな問題ではないと考えています。私は子供のころに
数年間経験のある水泳を選択しました。ジョギングであれば必要なものは靴と道だけでよいのですが、水泳となるとそうはいかないので、近所のスポーツクラブに入会しました。平日でも時間があれば
行きたいので、なるべく夜遅くまで営業していることろを選択しました。月会費も含めると金額的にはこれが一番大きいかと思います。
実践してみる
まずは食事から
楽天でナチュラルバランスダイエットを検索
次に運動
- 運動の基本的スタイル
週末を中心に週に2回程度のペースで加入したスポーツクラブに通っています。真面目に水泳をするのは25年ぶりであるため、トレーニングメニューを定めるのには苦労しました。2ヶ月ほどの試行錯誤の末、50分程度のゆっくりした泳ぎ(有酸素運動)と10分程度のスプリントを組み合わせたメニューに落ち着きました。
- 運動で挫折しないための工夫
ダイエットのための運動は、低負荷、長時間を特徴とする有酸素運動が中心になります。したがって、「飽きをどのように防ぐか」か非常に重要となります。ジョギングであればiPodで音楽を聴きながら実践するのが良いでしょうし、ルームランナーなどのマシンを使うのであればテレビをみたり、読書をしながら行うこともできます。しかし、私が選択した水泳ではそう簡単にはいきません。しかし、調べてみると水の中でも使用できる音楽プレイヤーがあることがわかりました。私が選択したのは水泳用品のトップブランドであるSpeedo社がIriver社と共同開発したAquaBeatです。残念ながら、日本での販売は終了してしまっており、オークションで流通しているのみの状態になっています。しかし、よく調べてみると円高基調であることもあり、米国のAmazonから購入すれば、
送料を含めてもオークションよりも安価に購入できることがわかり、早速購入しました。航空便で数日で日本に到着します。(この類の製品には関税はかかりません。
日本国内では初期不良対応も含めてもサポートは受けられませんので、その部分は自己責任となります。)
米国amazonでの買い物においては送付先など英文字で入力する必要があり、受付通知メールも英語になりますが、簡単な英語です。
コンパクトな箱に入ってきます。(白く見えているのはゴーグルのベルトです。)
付属ソフトはミニCDで同梱されています。
使ってみると実に快適です。お気に入りのアルバム1枚分ぐらいで一日の運動が完了する感じです。スイムキャップのゴムに本体を固定して使用します。水中利用目的に開発されたイヤフォンはバタフライなどの激しい泳法でも外れることはありませんでした。なお、曲の登録はPCとUSB接続した上で、mp3ファイルをコピーするだけです。この操作には特別なソフトをインストールする必要はありません。(日本版WindowsXp
Pro 32bit、日本版Windows7 64bitで動作確認)
曲の演奏順を任意に指定する場合に利用するPlaylist Editorについても問題なく動作しました。(日本版WindowsXp Pro
32bit、日本版Windows7 64bitで動作確認)
米国のamazonでSpeedo AquaBeat Special Edition LZR Racer 2GB MP3 Playerを検索
私はこのAquaBeatのおかげで挫折することなく水泳を継続することができました。
・結果を見てみる(6ヵ月経過時の途中経過)
タニタのBC-309の機能により、体重は全て記録されています。(計測もほぼ毎日行っています)
減量を開始してから、6ヶ月間の結果は以下のようになっていて、順調に目標値までの中間点以上に到達しています。これも、事前に練った戦略の効果だと考えています。
体重::80Kg → 71.5Kg
ウェスト: → 96cm → 85cm
持っているスーツは全て買換えとなりました。
残りの半年で目標を達成できるように気を抜かないで進めていきたいところです。
・体重の増減と不摂生の関係を考える
体重は順調に減ってきていますが、良く見ると大小の波があることが分かります。この体重の増減の波の原因は不摂生にあると考えれれます。
不摂生とは具体的には方針として定めた以下を怠ることです。
・食事の改善(体に良い夕食を摂る)
・運動時間の確保
社会人として働いていれば、上記の2方針を常に実行できるとは限りません。仕事が立て込んで運動の時間が確保できないこともありますし、飲み会に行くこともあります。私は性格上、飲み会に行くとそれなりに飲み食いせずにはいられません。
具体的に見ていきましょう。体重のグラフをよく見ると、下記の中のオレンジの傾向と赤の傾向に不連続な部分があることが見て取れます。

これはちょうど年末年始の時期にあたっています。この時期はお酒を飲む機会も多く、家で食事をする際も「体に良い夕食」を摂りませんでした。また、プールに行くこともありませんでした。そのことが見事なまでに体重の増減に現れているのです。
もう少し定量的に不摂生と体重の増減の関係を分析するには科学的アプローチが必要になります。できれば「回帰分析」という統計的手法を利用してみたいところです。回帰分析は複数の事象がどの程度相関しているかを統計的に分析する手法で、自然科学やビジネスの世界で広く利用されています。統計的手法といっても、難しい数学的知識は必要なく、Excelに分析を委ねることができます。
課題は食事の状況、運動の有無を記録するというところです。ダイエットは長期戦なので、この「記録するだけ」の行為が大変です。スマートフォン等を利用して省力化ができれば良いのですが。
・結果を見てみる(目標達成の期限まで残り一ヶ月の途中経過)
さて、最初に設定した1年という期間まで残り約一ヶ月となりました。数値は以下のとおりです。
体重::80Kg → 67.1Kg
ウェスト: → 96cm → 83cm
目標に葉順調に近づいているものの、目標の66kgまでの最後の1kgがなかなか難しいところです。標準体重に近づくにつれて数値を落とすのは難しくなってきます。筋肉がついてきている影響も少しあるかもしれません。様々な困難はあるものの、一ヵ月後には何とか目標を達成したいものです。

・最終結果を見てみる(開始一年後の人間ドック測定結果)
いよいよ、ダイエット開始から一年。人間ドックでの測定結果は以下の通りでした。
体重::80Kg → 66.9Kg
ウェスト: → 96cm → 81cm
体重はBMIによる標準より400gオーバーで、BMIは標準である22に対し、22.1となりました。上記の一ヶ月前の記録と比べると体重は200g減ですが、ウェストは2cm減となっています。継続的な運動の成果で、筋肉がついてきたということかもしれません。数ヶ月前からプロテインを飲むようになったのも関係しているのかもしれません。目標に400g達しませんでしたので、95点ということろでしょうか。
尿酸値、血糖値、コレステロールなどの各種測定結果は大幅に改善されました。一年前は脂肪肝と言われましたが、今回は内臓脂肪は正常上限の約半分とのことでした。(内臓脂肪は付きやすく、落ちやすい)
今回の一年間のダイエットによってわかったのは以下のことです。
- 食事と運動習慣の改善を行えば結果は必ず得られる。どちらか一方では効果はでにくい。
-
体重測定を毎日実施することにより、何が好影響を与え、何が悪影響を与えるのかについて理解することは重要。
- 短期間での効果を求めることなく、長期的に取組むことが重要。
- 我慢のしすぎはいけない。一ヶ月に数回は暴飲暴食もOK。
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お金で解決できる部分はお金で解決する(高機能体重計、ダイエット食、スポーツクラブ等)。成人病が回避できなければそれ以上のお金が必要となることは明らか。
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