絶対得する購入法
(賢く買って仲介手数料節約)
 

このページは長文で構成され、写真もありません。しかし、ここに解説した購入方法は実践する価値があると考えています。実際、私もこの購入方法を実践することにより400万円近い額を節約することができました。金額的に見ればDIYミニ工事で節約できる金額とは比べ物にならない額を節約することができます。ここに記述した方法を実践するかは、皆さんの判断ですが、一読の価値はあると考えています。

・はじめに
皆さんは不動産を一生で何回購入するでしょうか。私は今回の購入を含めて1回か2回だと思います。多くの方も同様だと思います。一方、不動産業界にいらっしゃる方は日々不動産の売買にかかわっておられるわけで、住宅購入者と不動産業界の間には大きな情報格差があります。
もちろん、一般に消費者が購入する全ての商品について購入者と販売者の間には一定の情報格差が存在します。常に購入者は販売者に比して、少ない情報しか持っていないわけです。しかしながら、以下のような学習曲線を想定すると、年に1回の程度の購入経験をつむことができる家電製品購入に比べて非常に大きな情報格差が住宅購入には存在しています。その事実を認識し、購入前に研究することで大きな費用削減ができると考えました。逆に言えば、良く研究しなければぼったくられるということです。
 



・不動産の取引について調べてみようと考えたきっかけ
戸建住宅を購入することにした直後に、当時住んでいた近所で売りに出ていた建売住宅を何気なく訪問をしました。どのような感じなのか様子を知りたかったからです。すると、そこにいた販売員は私の連絡先を教えてくれと強く言ってきました。私が「実はこの近所で購入するつもりはなく、住宅の様子を見せていただきたいだけなのですが・・・」と言っても引き下がる様子はありません。その際は、そこまでいうならいうことで、連絡先を教えて家の中を見せてもらいました。
すると、早速その晩に昼間、連絡先を教えた販売員から電話があり、「どのような物件をいくらぐらいの予算で探しているのか。」と尋ねられました。私は「X区かY区で探そうと思います。」と答えると、「数件条件に合う物件があるので、来週末にでも案内する。」と言うのです。私が了解すると、彼は土曜日の指定した時間に私の自宅にバンに乗ってやってきて、私たち家族を乗せて、物件を数件めぐり、自宅に送り届けてくれました。契約もしていなければ、お金は全く払っていません。
このときの物件は全て私の条件に合わなかったのですが、ここで私の中で疑問がわいていきました。「この贅沢なサービスの費用は誰がどのように負担しているのだろうか?」という疑問です。手始めに、この日に受けたサービスの対価を概算で見積もってみることにしました。一番簡単な方法は、似た様な有料サービスの価格を調べることです。一番近い業態は観光タクシーだと思います。「たびの足」で価格を調べて見ます。指定した場所に迎えに来てもらって、4時間のコースで約2万円でした。つまり、私は2万円相当のサービスを無料で受けてしまったことになります。家を購入するとなれば10回ぐらいは現地見学をするでしょうから、2万円x10回=20万円程度のサービスが提供されることになります。当然、販売担当者は慈善事業家ではないので、誰かがこの20万円を負担しているはずです。

このように無償で過剰なサービスを営業フェーズで提供する業界は、商品やサービスそのもので競争する必要がない特異な業界だと思います。かつての銀行や生命保険会社がその典型例です。当時、銀行や生命保険会社は法的規制の下にあり、商品の基本仕様である金利や保険料で競争する必要がない特異な業界でした。その結果、銀行の口座開設には多種多様な粗品が用意され、生命保険の営業担当者は指定した場所 で指定した時間に懇切丁寧に対応し、野球観戦のチケットをくれたりしました。
これは裏を返せば、銀行や生命保険の業界がぼったくり業界であったということができます。どんなに悪い経営をしても銀行がつぶれないように規制により設定された金利は、通常以上の経営をする銀行にとっては莫大な利益を生み出しました。生命保険業界も同様です。私の勤めている会社にやってきた営業担当者が「再来月から保険の掛け金が 全社一斉に値上りするので、今申し込まれたほうがお得ですよ。」と言われたことを思い出します。規制のない普通の業界であればそのような行為を行えば、価格協定として独占禁止法違反で刑事告発の対象になります。つまり当時は金融業界はぼったくり業界だったわけです。(現在は規制緩和により業界は健全化しています。)
一方、昔からぼったくりが成立しない健全な業界の代表格がラーメン屋です。人気のラーメン屋は一切の営業をしなくても客が行列を なし、ラーメンの食べ方にも店主が規制を加えたりすることすらあります。それでも、ラーメンという商品そのものの魅力が高ければ商売は成立し、逆にラーメンという商品そのものの魅力が低ければ、いかに営業活動をしようとも生き残るすべはありません。つまりラーメンはぼったくりが成立しない商品ということになります。
不動産の営業担当者の過剰なサービスを受けてみて、不動産を購入する際はぼったくられそうだという直感を持ったことで、不動産取引について調べてみようと思った次第です。
 

・いろいろ調べてわかったこと


以下にパターン別に詳しく取引を図示します。


 


 



以上が主要なパターンなのですが、ここで疑問がわいてきます。


・なぜ不動産の仲介手数料は「ほぼ例外なく、物件価格x3%+6万円に消費税を加算した額」なのか?
そもそも皆さんは、仲介手数料(仲介料)がいくらかご存知でしたか?当初、私は知りませんでした。なぜなら、仲介業者も全くそのことは口にしませんし、広告にも物件の価格は載っているものの、仲介手数料の額が書いてあることはまずありません。これは良く考えると驚くべきことです。仲介事業者は自らが出している広告に、自らのサービスの価格を一切表示しないことが定着しているのです。なぜでしょうか?これにはある法律の存在が原因となっています。それは「宅地建物取引業法」という法律で、日本の不動産取引において、民法とともに最も重要な法律になります。その46条には以下のようにあります。
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第46条 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
2 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
3 国土交通大臣は、第1項の報酬の額を定めたときは、これを告示しなければならない。
4 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第1項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
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そして、昭和45年建設省告示1552号には400万円を超える物件を媒介した際の報酬の上限が、「物件価格x3%+6万円」となると定められています。この法規定には二つの大きな問題があります。
ひとつは、この規定が実効的に市場に与えている影響です。法をよく読めば、法が規定しているのは報酬の上限値であることがわかります。つまり、報酬が「物件価格x3%+6万円」を超えてはいけないことを規定してるだけで、それよりも低い額でも当然に法と整合するわけです。これは一見すると消費者(購入者)を保護している法のように見えます。しかし、実態は異なるのです。この法があるがゆえに、ほぼ全ての不動産仲介業者は当然のように、報酬として上限である「物件価格x3%+6万円」を要求します。つまり、法規定が暗黙の価格カルテル (業界が価格を統一して価格競争を回避すること)として機能している側面があるのです。その証拠に、不動産仲介業者が出している広告には、その表示が法により義務付けられている物件の価格は確実に載っていますが、仲介の報酬に関する表示はほとんど見ることがありません。つまり、不動産仲介という業界は自ら提供するサービスの価格を広告に出す必要がない特異な業界(価格競争の圧力がほとんどない業界)になっているのです先に述べたように、消費者(購入者)は一生に一度か二度しか不動産を購入しないため、いざ契約が成立し、仲介手数料を請求されるまでこの事実を知らない場合も多く、不動産仲介という業界が「自らが提供するサービスの価格で競争する必要がない特異な業界」であることにつながっています。

もうひとつの問題は、報酬の上限額が昭和45年に規定されてままだということです。仲介業はその名が示すとおり、情報をつなぐ産業です。昭和45年当時は情報を共有するためのインフラが貧弱で、情報の交換には多大なコストがかかりました。長距離電話の電話料金は現在の5倍以上でしたし、音声以外の情報交換が可能なインターネットも存在していませんでした。当時に比べて現在は情報交換が極めて簡単になっています。そのような現実にもかかわらず法規定は改変されていません。また、現在の国土交通省の指揮の元、不動産情報を一元的に管理するレインズが導入されたことも情報流通の効率化に寄与しているはずです。(レインズについてはさらに大きな根源的問題を抱えていますので後述します。)報酬の上限値が割合で規定されているため、物価上昇にともなう見直しも不要であったことも、法規制が塩付けにされてしまった一因でしょう。
現在の不動産仲介の業界は昭和45年に規定された価格が事実上のカルテル価格のように機能している特異な状態にあるということができます。
さらに、法は不動産の売主からも同額の報酬を得ることを許容していています。たとえば、6000万円の物件を購入する場合、消費税も含めると、

売主からの報酬=(6000万円 x 3% + 6万円) x 1.05 =195万円
購入者からの報酬=(6000万円 x 3% + 6万円) x 1.05 =195万円

合計で、390万円の報酬が不動産仲介業界に入るわけです。当然のことながら前者の195万円は物件価格に含まれているので、合計額である 390万円は全額購入者が最終的に負担することになります。もちろん不動産仲介業者は情報をつなぐだけではなく、物件への案内、説明、ローン計画支援、融資金融機関紹介、司法書士紹介等のサービスを提供してくれますが、私にはどう考えても390万円という金額に見合うサービスとは思えません。もろもろのサービスの多くは自分でできると考えている私にとっては、ぼったくりでしかありません。

・どのようにしたらぼったくりを回避できるか
答えは簡単明瞭で、「仲介業者に頼らずに契約まで持ち込む。」ことです。仲介業者を利用したとしても、最終的に契約を締結するのは売主と購入者です。仲介業者は取引に必須の存在ではないのです。最も簡単な方法は売主直売物件を購入することです。一部の大手デベロッパーは自ら直接販売することも行っており、その物件を購入した場合は、仲介手数料は発生しません。ここで注意すべきはこのような物件であっても、仲介業者に紹介してもらった場合は、仲介手数料が発生するということです。6000万円の物件なら195万円の手数料です。まず、売主が直売(自社での販売活動)をしているケースを紹介します。これは建売住宅の一部のみで該当します。(売主が直売をしないケースの方が多い。)ポイントは、「売主が直売(自社での販売活動)している場合でも、同じ物件を仲介業者も扱っている場合が多い」ということです。

上に示したのは、不動産情報誌(広告)のイメージです。よく見ると物件Aと物件Dは同じ建売物件だということがあります。上記のイメージには書いていませんが、建物の延べ床面積や写真の一致で確認できます。その物件を気に入った場合、みなさんはどちらの業者に連絡をしますか?
もし、Aホームがテレビコマーシャルをしているような大手業者だったらどうですか?
Aホームに連絡したあなたは、全く同じ物件をDホームに連絡した場合に比べて、183万円多く払って買うことになります。なぜなら、仲介手数料は媒介をした仲介業者に支払うものだからです。

つまり、Dホームに連絡した場合は上に書いたケース1となり、Aホームに連絡してしまった場合はケース2となるのです。上記のような広告は実際によく目にします。どれだけの人が、売主から直接購入することにより183万円を節約することができることを正しく理解しているでしょうか?

散歩をしていたあなたは、偶然自分の好みに合った建売住宅の分譲現場に出くわしました。あなたは、その場に居合わせた販売員に話しかけ、その物件を5600万円で購入することになりました。ここであなたの運勢により支払額には183万円の差が出ます。たまたま話しかけた販売員が売主の社員であったあなたはラッキー。逆に、たまたま話しかけた販売員が仲介業者であった場合は、183万円多く払って全く同じ物件を購入することになります。


以上、全く同じ物件で支払い額に大きな差が出る事例をご紹介しました。

しかし、上の紹介した売主が自社で販売活動をするケースは一部に限られます。デベロッパーの多くは自社で販売活動をしないところが多いからです。これには理由があります。直接販売を実施するころは自社に販売要員を抱え、自社で販売活動を実施します。物件を見たいといえば家に迎えに来てくれるでしょう。この場合、それに関する費用は物件価格に入れておく必要があります。簡単に言えば、販売費を除いた物件価格が6000万円だった場合は、販売費100万円を足したを6100万円を物件の価格として、広告に載せる必要があるわけです。同じ6000万円の物件を媒介で売りに出す場合と、売主として売りに出す場合の対比は以下のようになります。
6000万円(媒介)
6100万円(売主)
この場合、実際に購入者が支払う総額は実は上の方が高いのですが、一覧表示された場合、上の方が安く見えてしまうのです。実際に不動産の情報サイトで「6000万円以下」という条件を加えて検索すると、支払い総額が高くなるはずの上の物件しか表示されません。このような理由もあり、一部のデベロッパーは自社系列の販売会社を持ち、媒介扱いで販売しているところもあります。

多くの場合、直接販売活動をしていないデベロッパーからも仲介業者無しに契約することはできます。それには少々工夫が必要です。

まずは物件探しの方法です。

・足で物件を探す
仲介業者に頼らなくても自分で歩いていれば、建築中あるいは建築済みの建売物件を探し出すことはできます。この際、注意すべきことは「現地に販売員がいても絶対に名前や住所を明かしてはいけない。」ということです。現地にいるのは多くの場合、売主ではなく仲介業者であり、彼らに名前や住所を教えた瞬間に、その物件に関しては売主から直接購入することをあきらめることになります。販売員を適当にいなしながら、売主が誰であるかを探ります。
当然のことながら、仲介業者の販売員は売主の正体を絶対に教えてくれません。ヒントはいたるところに隠れています。もし、その物件が建築中のものであれば、法律で定められた告知看板が掲示されていますし、置いてある資材の箱のラベルなどからも知ることができます。また、ご近所の方に教えてもらうのも手です。マンションと異なり、戸建住宅の場合は建築に絡んだ近隣トラブルも少ないので、教えてくれることが多いでしょう。
また、今まで述べた方法でも売主が見つからない場合でも、確実に売主を見つける方法があります。それは、登記簿を調べることです。物件の住所を管轄する法務局に行き1000円を支払えば、土地の登記簿を見ることができます。通常、建売住宅はデベロッパーが土地を仕入れ(購入し)、建物を建てて販売をします。つまり、土地を仕入れてから建売住宅として販売するまでの数ヶ月から1年 程度の間は、デベロッパーが土地を所有するのです。当然、登記もしますので、登記簿を見れば確実に売主がわかるのです。
売主がわかれば早速連絡します。電話帳やホームページから電話番号を調べ、電話をかけて営業担当者につないでもらいます。この際、注意すべきことは「該当の物件に関して一切、仲介業者と話をしていない。」ことを明確に伝えることです。今のところ、デベロッパーにとって仲介業者は重要なビジネスパートナーであり、そのパートナーとの信頼を裏切るようなことはできません。あとは淡々と契約を進めます。建売住宅を分譲して販売する業者は、国もしくは都道府県から免許を受けた宅建業者である必要があるため、不動産の契約に不慣れということはありません。そもそも仲介業者を介したとしても、最終的に契約をするのは売主と購入者ですので、契約行為に本質的な違いはありません。

・不動産広告で物件を探す
ちまたには多くの不動産広告があります。紙媒体で無料配されているものあれば、ネット上に展開されているものもあります。そこで条件に合う物件を探せばよいのです。しかし問題はこれらの広告に書かれている物件の住所は最後まで載っていません。具体的言えば、例えば「東京都江戸川区中葛西3丁目」までしか載っていないのです。なぜでしょうか?これは今まで述べた不動産業界の特異性に起因しており、「自社(仲介業者)に頼らず、勝手に物件を訪問されたら困る。」からです。物件には別の仲介業者がいるかもしれないし、売主と直接交渉されてしまうかもしれないからです。しかし、広告からは直接物件に行き着くためのヒントが隠されています。
・X駅まで5分
・南道路
・公園隣
・14棟売出し
そして、最大の手がかりは写真です。20分ほど散歩すれば見つけられるでしょう。
あとは、「足で探す」と同じです。ここでも、仲介業者に一切コンタクトしてはいけないということは変わりありません。

・仲介業者を通さないといくら節約できるのか
6000万円の建売住宅を購入するケースを考えます。この場合、仲介業者を使わないことにより、
売主からの報酬=(6000万円 x 3% + 6万円)x1.05=195万円
購入者からの報酬=(6000万円 x 3% + 6万円)x1.05=195万円
合計で、390万円が仲介業者に流れることを防ぐことができます。
ではこの390万円はどこに行くのでしょうか?
購入者が支払う報酬195万は当然払う必要がないので、まずこの195万は購入者に入ります。ポイントは売主が節約した195万のゆくえです。ここで、住宅購入という取引の非対称性が重要になります。住宅購入の場合、購入者するのは消費者で一円でも節約したいと考えます。一方、売る側はデベロッパーに所属する会社員です。通常はある取引に関して節約ができた金額は、取引に関係するプレイヤーに均等に配分されますが、住宅購入の場合、取引の非対象性は購入者に有利に働きます。なぜなら、会社員は自分が貢献した利益で管理、評価されるからです。つまり、もともと仲介業者に支払うつもりで利益計画されていた195万は完全に浮いた金であり、その分を値引きに回すことに大きな抵抗がないのです。こちらとしても、それらの情報を理解しているので当然のこととして、195万円を引いた額からの価格交渉を要求します。つまり、結果として全額である390万円を購入者である消費者が獲得することができるのです。6000万円の建売住宅を購入する人にとって390万円は決して小さい金額ではないでしょう。

・ぼったくりにあわない購入法を実施する際のマナー
仲介業者を使わないのですから、通常仲介業者が提供するサービスは自分ですることが必須です。決して売主にサービスを要求してはいけません。例えば、物件を見に行くのであれば当然自分で行き、ローン計算は自分ですべきです。総じて言うと、見込顧客として大きな顔をしてはいけないということです。ようは、激うまラーメン屋を食べに行くときのように、売主(ラーメン屋)に迷惑をかけてはいけないということです。(司法書士等は売主のなじみの所の方が売主としても楽なので、紹介をしてくれるでしょう。)面倒でも数百万円の節約ができるのですから安いものです。当然、購入した後は購入者として受けるサービスは堂々と売主から受けることができます 。

・ぼったくりにあわない購入法はどの範囲に使えるか
ここで紹介した購入法が使いやすいのは新築建売住宅です。建売住宅の場合は一般に売主が業者となるからです。その他のケースでは適用しにくい場合があります。以下に解説します。


・レインズがかかえる奥の深い問題
先に記述したレインズの問題について解説します。 レインズは国土交通省が主管する情報ネットワークで、法律により流通する不動産情報の殆どが登録されています。ポイントはその情報が不動産業者しか閲覧することができないということです。以下に、現在の不動産に関する情報の流れを示します。

上の図をみて不思議に思われた方も多いのではないでしょうか。私は「なんでレインズを直接インターネットにつ ないで一般公開しないの?」と思いました。 一度、不動産業界に閉じた情報ネットワークを経由して、インターネットに情報が流れる意義は何でしょう?答えは簡単です。不動産仲介という業界を保護するためです。インターネットがなかった時代には、不動産業界に閉じたレインズという仕組みには合理性がありました。一般消費者は情報流通手段を持っていなかったので、不動産業者が主にFAXを使用して レインズでやり取りする物件情報を人を介して取得することで、自分の条件に合った物件を見つけることができました。しかし、消費者にインターネットが普及した現在、レインズを不動産業界に閉じて運用する経済的合理性はありません。国土交通省もそのことは認識しており、過去に何度かレインズの一般公開(インターネット接続)について議論があったようです。しかし、不動産仲介という業界が崩壊するとの恐れから実現していません。実際、一般公開すれば崩壊に近い状態になるでしょう。なぜなら、レインズの一般公開により売主がオープンになれば、購入者は仲介業者に頼ることなく、直接売主と契約するからです。現在までレインズ一般非公開を貫いている政府の態度は、消費者の利益よりも業界保護を優先した結果と見ることができます。政府の判断の是非はさておき、このように合理性を欠いた仕組みが永続するとは思えません。近い将来、不動産仲介業は大きな変革をむかえると思います。しかし、今現在、存在している不合理に対抗するには、消費者は自らが工夫をするしかないのです。それがここで解説した購入法です。
もちろん、仲介業者が提供するサービスに数百万円の価値があると考える方は、従来通りの購入方法で問題ないと考えます。しかし、今の仕組みが不合理だと思われる方は、是非ここでご紹介した方法をお試しください。


・今後の不動産仲介業に対する私見
私は、不動産仲介業変革のソフトランディングのために以下の二点を実施すべきだと考えます。

上記を同時に実施することにより、現在の横並び体質が徐々に変わり、健全化していくと思います。例えば、「物件への案内サービスは5物件以降は有料とするが、仲介手数料を1%とする業者」や「24時間x7日間の現地騒音調査レポートサービスを有料で提供する仲介業者」等が現れ、消費者はニーズに応じたサービスを受けられると考えます。不動産仲介の業界も、自らのサービスの価値に自身があるのであれば、堂々と価格を含めた競争を実施すればよいのです。

・仲介手数料に関する「消費者にとっての仲介必要論」について
仲介手数料に関する意見に、以下のようなものがあります。

正直、私個人にはどの論も腑に落ちません。ここに書いたように、「仲介業者は成約した場合にのみ収入がある」ので、成約させるために心血を注ぐのです。購入者を説得すれば成約にいたると思えば、購入者を説得するでしょう(少なくとも私が仲介業者ならそうします)。特に値引きについては仲介手数料が売買金額の3%+6万円となっているため、値引きけば値引くほど仲介手数料が低くなることもあり、積極的に実施するとは考えにくい状況にあります。また、建売取引仲介は上に書いたケース2の場合が多いことも重要です。この場合、仲介業者Aは売主と購入者の両者から報酬を受ける立場であり、購入者の利益のみを代表している立場ではないのです。(どちらかといえば、今後も付き合いの発生する売主の方が大切でしょう。)ちなみに、仲介に 似た「代理」行為については、民法第108条で同じ人(自然人または法人)が当事者双方(建売購入の場合は売主と購入者)の代理人になることは原則禁じられています。 (事前に両当事者が許可している場合は認められる。)代理人のさじ加減で、どちら側にも利益誘導することができるからです。

2009年10月追記: 民主党が政権をとったことで、同党が掲げる「不動産仲介業者の両手の禁止」が話題になっています。この件に関する論評で、不動産仲介業者の収入が半減するというものがありますが、全体としてはそのようなことはありません。「両手」は新築建売販売など一部形態で多く見られるだけで、売主、買主に別の仲介業者がついた場合は「両手」にはなりません。不動産仲介は多くの消費者にとって関係する問題ですが、マスメディアの理解度は必ずしも高くないようです。今後の民主党の挙動に注目です。

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