玄箱の電源修理

我が家でこのWebサイトをホストし、8年間無停止で動き続けた玄箱HGがついにダウンしました。ある日帰宅すると自宅からのWebアクセスが不能となっていたことから発覚しました。この玄箱HGはDNSサーバーも兼ねているので、この機械がダウンするとアドレス解決が不可能になります。これは故障検知の意味でも有効で、すぐに待機系の別の玄箱HGを立ち上げ、ルーターの設定を変更しWebサイトを暫定復旧させました。

ダウンした玄箱HGは人が居る時にしか空調が入らない部屋で真夏もテレビ下のサイドボードの中で8年間連続稼働してきたので、かなり過酷な状況にあったと言えます。通常の業務システムであれば空調の入った部屋で運転し、6年程度で更改されるわけですから立派な耐久性であったと言えます。

さて、原因の追究です。シンプルな構造の玄箱はHDD、マザーボード、電源のどれかが故障したことになります。原因を切り分けるために電源プラグを抜いて強制電源断、再度電源投入を繰り返していると、電源が入らなくなりました。これは良い兆候です。なぜならこの現象は故障個所が電源部であることを示唆しているからです。HDDが故障している場合、再度環境の構築が必要になり多くの時間がかかります。正直なところ、8年前と異なり再度環境構築を行う気力がないので、故障個所が電源部と推測されたのは良いことでした。
玄箱は通常のPCと異なり、規格化された電源ユニットを使用しているわけではないので、電源ユニットを交換するのは容易ではありません。電源部の経年故障の場合、原因はほとんど電解コンデンサーの劣化です。運が良ければ電解コンデンサーの故障は膨張、破裂、液漏れという形態で視認できます。早速分解します。


 

残念ながら目視では故障個所を特定するには至りませんでした。電解コンデンサーは5年、10年の単位でみれば消耗品なので、全て交換することにします。十年ぶりに半田ごてを利用して、全ての電解コンデンサーを外しました。

秋葉原に行けば様々な電解コンデンサーを購入することができるのですが、面倒なのでネット通販で注文しました。

電解コンデンサーを注文した後にオークションサイトを覗いてみると、複数の玄箱が出品されていました。コンデンサーを交換して修理するのには時間がかかることを考慮し、こちらも入札することにしました。運よくジャンク品として出品されていた玄箱を安価に落札、受け取った日に早速分解して電源ユニットを取り出してみました。どうも元から入っていた電源ユニットとは異なるようです。これは前オーナーが交換したのか、製造ロットの違いによるものなのかは判りませんが、正常に動作すればどちらでも問題ありません。(右が故障したユニット、左がオークションサイトで入手した玄箱から取り外したもの)
早速、ダウンした玄箱の電源ユニットと交換です。


交換後、筐体をくみ上げる前に電源を入れて確認します。すると、問題なく起動しました。やはり電源の故障だったようです。
筐体を組み戻して修理は一応完了です。
 

今回の対応で筐体のプラスチックがかなり劣化していることがわかりました。分解のために各種の爪を曲げようとしたところ、ことごとく折れてしまいました。弾性が無くなっているのです。高温での連続稼働は電子部品に負荷をかけるのはもちろんのころ、プラスチックにも大きな負荷を与えるようです。

一方で、私が玄箱HGで使用しているHGSTブランドのHDDの高い耐久性は特筆すべきものがあります。情報処理デバイスに詳しい人の間ではHGSTのHDDの耐久性の高さは有名ですが、熱に弱いHDDが空調の無い過酷な環境で8年連続無停止稼働して故障しないというのは驚くべきことです。HGSTがWestern Digital配下になってどのように変わっていくのかは不明ですが、この耐久性が維持されるのであれば、五割増しの価格で購入しても損はないでしょう。

私が完成品ではなく部品を組み合わせてPCを購入するのは、HGSTのHDDを使いたいという理由からに他なりません。(最近は自分で組み上げる気力がないので、業者に組んでもらいます。)

HGSTがWestern Digitalの傘下になったことは非常に残念です。圧倒的な高品質が市場の大部分を占めるPCユーザーである一般消費者に認知されず、その価格差の妥当性が認められなかったことは非常に残念で、ある意味で「市場の失敗」と言ってもよいと思います。もし、HDDの市場の大半が業務ユースであればその品質の違いが価格差を正当化し、HGSTがWestern Digitalの傘下に入ることも無かったのではと思います。

HGSTにできたかもしれないこととしては、耐久性に関する客観測定指標を創造し、競合商品との差別化を図ることだったのかもしれませんが、それは同時に顧客である完成品メーカーの利益に反することでもあり、実現はしえなかったのかと思います。

・後日談
修理完了から二日後、注文していたコンデンサーが到着しました。信頼性の高い日本ケミコン製です。
 
早速取り付けます。

右下のコンデンサーが浮いているのは、もともと付いていたものよりもサイズが大きいためです。一般に信頼性の高い日本製のほうが多くのマージンを取るためにサイズが大きくなっています。今回は何とか取り付けることができました。

本体に取り付けると見事に電源復活です。(グリーンのLEDの点灯が復活していることを示しています。)
こちらは今後の予備として保管します。
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